[感想]ホロヴィッツの謝肉祭!?Vladimir Horowitz - The Unreleased Live Recordings 1966-1983



Vladimir Horowitz - The Unreleased Live Recordings 1966-1983



ホロヴィッツの演奏する シューマンの謝肉祭 が 聴 け る !?!


即ポチしてしまいました。
The Unreleased Live Recordings というタイトルでして、これまでリリースされていなかった音源を含むライブレコーディングのCD50枚ボックスです。(たぶん リンク先のあまぞんの商品名「Vladimir Horowitz in Recital - The Complete Columbia and RCA Live Recordings 1965 -1983」ってなってますが、間違ってると思います。パッケージ写真みただけでタイトル違います)

このお値段の割に ものすごいデカイ箱にでっかい本が入っていて、本だけでも異様に高そう。
ただ、UNRELEASEDには理由があるんだろうな、と、聴いて思った…
いいものはやっぱりリリースしますよね。選ばれずに残ったものがアンリリースですよ…。

とりあえずまだ全部聞いてないんだけど 謝肉祭についてだけ先に書いておこうとおもいます!
謝肉祭は、ひとことで言うと、壊れたピアニストです。






製品の外装


すごいでかい。レコード?レーザーディスク?ってくらいのデカイ箱でかなり重い。
開けるのも一苦労な頑丈な箱。開けると出てくるのは箱の一回り小さいだけの すごくでっかい本です。それが重いんですね~。まさに愛蔵版ってかんじのすごい頑丈な本で、開くのにためらわれるほど豪華な本でした。
個人的には、、ほんとに、謝肉祭聞きたかっただけなんで、こんなどでかい本が入っててむしろ邪魔…。本を取り出さないとCDが出せないので、邪魔です。

特典っぽいスペシャル日本語翻訳ライナーノーツってやつは 比較して驚くほどしょぼい、なんのかざりもない、白黒で文字だけのCDブックレットでした。スペシャルとか言わないほうがいい…。

あとは中身は、海外のボックスものの通常仕様って感じの、取り出しにくい紙の入れ物です。この紙の入れ物は、意外ときらいじゃないけど2枚1組の場合は別だ!2枚一組だと驚くほど取り出しにくくなる!!やめて!!ってかんじです取り出しにくかったです。

でかくて黒くてカッコイイ箱だから…コレクターにとっては いいかんじなのかもしれませんね。私は、デカイので置き場がなくて かなり、困ってます…。。。この大きさは困ります…。もっとコンパクトにしてほしかった。本棚に入るくらいの大きさにしてほしかった。



ホロヴィッツの 狂 っ た 謝肉祭!!?!!?


謝肉祭の録音は、1983年…というと、Wikipediaでホロヴィッツを読むと目につくあの、初来日で「ひびの入った骨董品」とズタボロに評価されたという年ですね。
まさに、大変失礼ながらまさにそのとおりだというような演奏でした。
「壊れた」という言葉がふさわしい。
「下手な」っていうわけじゃなく(下手だったらこんなに弾けないだろう)、しかし、ものすごい大失敗だらけ。
これを数万円チケットで聴きに行ったらやっぱり悔いが残ると言わざるをえないでしょう…。。

とにかくミスタッチがものすごいです。謝肉祭は短い曲がたくさんつまった詰め合わせですけど、ミスタッチのない曲が少ないくらいです。聴いててちょっと頭がおかしくなりそうです…正しい音に脳内補正しようとして(笑)

謝肉祭の録音は二つあるのですが、どちらも同じ年で、どちらもひどいミスタッチばかりです。どっちがいいかと言われると かなり難しい…。二つのうちからいいものを取り出して合体させたらそれなりに聴けるようになるかもしれない、とおもうんだけど、謝肉祭はほとんど切れ目なく演奏されるのが多いので、それも無理か~っていうかんじです…。

終曲なんてテンポが乱れるほどにミスタッチが激しくて、聴いていて痛々しいです、いや聴いてて痛々しいのは最初から最後まで全部ですけども、ほんとに切なくなるくらいです…。 シューマンが面倒くさい曲を書くから悪いんだ!シューマンのせいだ!と言いたくなった(笑)違いますけど。この時のホロヴィッツがいかに調子最悪だったかということなんだろうけど、特に謝肉祭との相性は悪かったんじゃないかなと思います。

しかも1つめの録音のほうは、なぜか途中で何曲か録音音源が違うもの(しかも録音の質が悪い物、客席での録音か?)になってしまう始末…これはホロヴィッツが悪いんじゃなくて、録音側がなにか故障したりしたんだろうと思いますけども…もー、踏んだり蹴ったりです…。。


ああでも、それでも、私、 それでも後悔していないよ…これが聴けて嬉しいな…。ホロヴィッツの謝肉祭…夢にまで見た謝肉祭。このぶっこわれた演奏でもいいから、他のシューマンの曲…ダヴィッド同盟舞曲集やピアノ・ソナタを聞きたかったな。と思うくらいです。

なぜならば、ホロヴィッツがどんなふうに謝肉祭を演奏したかったかってことは なんとなくわかるから。どんなにミス連発でも、こういうふうにホロヴィッツは解釈して表現したかったのだな、っていうイメージは、感じ取ることができます。それに ピアノの音色の美しさは相変わらずです。


それにしてもこんなに調子の悪い時にライブやったのはなんでなんだろうなあ…これはほんとに辛かったんじゃないかなあ……ツライに違いない絶対に。



かんそう


全体的に 大げさな響きがなくて、可愛らしい・おどけた謝肉祭です。子供っぽいおふざけ感。「豪華でロマンチックな謝肉祭」を演奏するピアニストもいるとおもうけど、ホロヴィッツのは、シューマンのもっと子供っぽい部分をフィーチャーしているのだとおもいます。

私が聞きたかったのはずばり オイゼビウスです。
前口上であまりのミスタッチにびっくりしつつあとはもう飛ばしてオイゼビウスを聴いた。そして その繊細な小さい宝物のような演奏に息を潜めた。この上ない宝物のようで 本当に感動しました。 (これは46枚目のほうが安定か?)
もっと大きく深く演奏されるイメージがあったんですが、 ほんとに大切に優しく小さく丸く、開きかけの蕾のように演奏されて、それがオイゼビウスの本質なのか…って、感動しました。ホロヴィッツのあの透明で美しすぎる音! 入り方はとても戸惑ったようなかんじで、「ホロヴィッツのオイゼビウス」の…他のオイゼビウスとの違い…  オイゼビウスファンの私としては、 じつに、じつに興味深く!! このためだけに1万円払っても 悔いなし!!という(実際そんな感じの買い物)

転じて、フロレスタンは苦しいです!速いから。(これは48枚目のほうが安定かな) ただしパピヨンのところが美しいですが… ああ、パピヨンのところだけ聴いていたいくらいそこだけあまりにも透明な鮮やかすぎる紫。 後半はもう、ちゃんとしろフロレスタンってかんじ。もう飽き飽きで適当に弾いたかのような乱雑さ。全体がそんな感じなんですけどもね…。

そしてスフィンクスにショックを受けました。このスフィンクスは、ホロヴィッツの音、ホロヴィッツの轟音。ホロヴィッツのスフィンクス。恐ろしい鐘のようです。絶望のように響いて聞こえる。それでいて厳格。いや、不気味。四角く不気味な解答。 スフィンクスの音が入ってるのって初めて聴いたのかなあ?記憶に無いな…というくらいなんですが、これは衝撃的すぎて忘れられない。それに、本当に浮いていて、変人ホロヴィッツだから許されるけど、普通に考えたら演奏しないほうがいいですね(笑)

あとはお楽しみにしてたキアリーナなんですが…ミスが多くてぜんぜん感情移入できない、とても乱雑な印象でした。
ショパンも、ショパン弾きのホロヴィッツの本領が発揮されてれば絶対もっと素晴らしい音になるはずなのに、なんだか奥行きがなくて、拍子抜けです…疲れてしまったのかなあっていうかんじです。これなら他のピアニストの音のほうがいいなというのが正直なところ。こんなに主旋律が単純な音になってるなんて、ホロヴィッツらしくない。でもこれは、ダメ録音の46枚目のほうがいいかもしれません…。録音が悪くて反響している分だけキレイに聞こえてる? ただ、ミスが少ないような気がします(笑)

そして締めのフィリシテ人と闘う「ダヴィッド同盟」の行進…ですが、まず、まえの休憩から足並みが乱れて入って…。ん~ですが 神殿の柱のような堂々とした低音の響きは、ホロヴィッツならではだとおもいました(その音は48枚目のほうが感動的でした。壮麗だ) 驚くほど静になる46枚目も、新しいですが。 ここまではハデなところを見せないできて、最後に本気のハデ曲だったので、終わりよければ全てよしだったのだけどな、大事なところでミスが目立ってて…七転八倒の行進で終わってもう 服がボロボロになって怪我だらけってかんじです(涙) 最後の最後のあたりまでミスってて いやほんと、笑えないな。ほんとひどいです46枚目なんてもう瀕死ですよ。っていうかちょっと死んだかも…うわーん

そんななのに終わったら音が消える前からすごい大歓声・ブラボーと拍手が聞こえてくるのが実に心苦しい。ツライ。(ちなみに、ほぼ死んだ感じの46枚目は非常に戸惑った拍手と戸惑った声が聞こえてきてリアルです) がんばって!っていう応援なのかもしれないけど、 ほんと逆に辛いです。。。 黙ってて欲しい…。聴き終わっていろんなツライ思いが去来するのだから、みなさん黙っててくれって言いたくなる。じっと拳を握りしめて瞑目して、脳内を整理せずにいられないのに、ブラボーじゃないですよ!もう!! と言いたい。



あまぞんのレビューでも、マニア向け…って評がありましたが、少なくとも、謝肉祭は、ほんとに、マニア向け。
脳内補正が大変です。
マニアが一人で聴いて黙々と考えたりして 根暗に楽しむ品です。
BGMにもおすすめできません。考えがまとまりません。


追々、気が向いたら他のCDも聴いてみますが、この83年のよりはほかのは良いだろう…。
でも私が聞きたかったのは、ただ この 謝肉祭だけだったんで…あとのはまあ いいか。っていう。




Vladimir Horowitz - The Unreleased Live Recordings 1966-1983

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