[感想]転生した子どもたち―ヴァージニア大学・40年の「前世」研究



転生した子どもたち―ヴァージニア大学・40年の「前世」研究
ジム・B・タッカー



生まれ変わり研究の本です。
ヴァージニア大学で40年間にわたり収集されている事例を、様々な否定的可能性を検証しながらまとめて紹介しています。

生まれ変わりとか前世とか、ないっしょ…と、まじめに私も思っていたのですが…
科学者が収集し細かく検証しているこの本はおすすめです!

うさんくさい表紙のデザインだけが残念です。





生まれ変わりの研究?


この研究はイアン・スティーヴンソンさん(精神科教授)という研究者の方がずっと続けてきたもので、とても有名らしいです。それを引き継いだのがジム・タッカーさん(児童精神科医)だそうです。
前世の記憶があるという子どもたちの事例を収集し、検証し、記録しています。


何故この本を読んだか


私は、一般の例に漏れず心霊現象とか超常現象とか前世とか占いとかに対して非常に懐疑的でした。
特に、占いと心霊現象について懐疑的でした。占いについては絶対に信じないと公言し、流行の占いを信じたり、占いのお店に行ってみたりする仲の良い友人に、占いがいかに信頼出来ないか説くほどでした。更には試しに自分自身もタロット占いを実践してみて、あたってるという友人に、「このように誰でも出来る、理由はこうだ!」とか説得するくらい、占いについて強い不信を持っていました。自分でも理由はわかりませんが…。(にしても自分で書いてみて、なんて迷惑な友人だろう私…ほんとスミマセン

ただスタンスとして、占いや心霊現象について、その証言が意図的なウソではないとすると、なぜそのようなことが起きるのかについて、自分なりに仮説を立てて考察してきました。身近にも、ウソを付くはずがない人たちがそのような証言(占いができる・霊を見た…など)をしているのですが、まさかそんなもんあるわけがないと思っていたので、ならばなぜそういう証言が起きるんだろうと、常々疑問に思ってきたからです。で、私の考えでは今までの所ほとんど心理的に説明可能だろうと思い、納得してきました。
まあ、私ごとき素人の考察と仮説はどうでもいいんですけど、とにかくこういったものには常に懐疑的でした。まず、最初に存在しないものと確信していました。あると思ったことがありませんでした。

そんななかで、おもしろ情報を掲載しているサイト「カラパイア」さんでこういう研究があるということを知ったわけですが、

「生まれ変わり」は本当にあるのか?前世の記憶を持つ6人の子供たちのケーススタディ|カラパイア
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52219990.html



これを読んで、私の考えうる範囲では、この多くの詳細すぎる衝撃的な事例をどうやって説明できるか、とても思いつかなかったのです。これはどういうことだ? どう考えれば、実際に生まれ変わりがないものとして、納得の行く説明できるんだろう?

至らない私の頭で思いつかなかっただけではありますが、とにかく、これはわからん…と、まじめに思いました。それでとても興味を持ったので、この本を読んでみることにしました。



いちいち検証が細かくて、やや読みにくいレベル


アマゾンのレビューを見ていると、イアン・スティーブンソンさんの本よりはかなり読みやすいらしいですけども、これも結構固くて読みにくいです。
著者は、常に「生まれ変わり」の否定的可能性をいちいち検証しながら、事例を紹介しています。これこれの可能性はどうだろう、これこれの可能性があるのではないか、こう考えることも可能だ、とか、いちいち毎度書いています。考えられる限り多くの可能性を検証しています。 この本の半分くらいは、生まれ変わりそのものではなく、否定的な可能性についての検証に占められているような印象です。

どれほど批判にさらされてきたか、どれほど懐疑的な人が多いか、根強いか、ということを逆に感じすぎるくらい感じます。読んでて疲れます。分かったもういい…と言いたくなるくらい、いちいち細かいです!
なので、私のようにとても懐疑的な人でも、不満が少なく読めると思います。 自分が考えうる否定的可能性も、考えつかない可能性も、オイオイそう来たか!というような反論も、よくある疑問もいろいろと提示して ものすごい真面目に検討されています。最後の最後まで、ほんとに真面目です。


それで結論は?


結論は基本的に出さないスタンスで、読んだ人に委ねています。
ただ、著者の考証の結果では、生まれ変わりが存在するとするのが最も妥当である となっています。他の可能性は、比較すると低い、余り妥当ではない、ということです。

なお、私が読んだ感想としては、生まれ変わりを否定する可能性としては、研究者全員が大嘘を付いているという可能性以外は、難しいかと思います。
集められた事例のうちのいくらかは、証言者の虚偽・錯誤の可能性が排除できないと思いますが、あまりにも多くの詳細な事例があるので、虚偽と錯誤で全件綺麗に片付けられるとは思えないです。
検証されていない否定的可能性としては、証言している家族に心理的な問題・病気とまでは行かない精神的な問題がないか、というのがあるんじゃないかと思いましたが。虚偽・錯誤が合理的ではないケースにおいても、研究者や一般からはわからない隠れた合理性・隠れた利得が、証言者の内心にあるかもしれない、更にそれが証言者にとっても無自覚な可能性もある、とは思ったのですが、やはりこれですべてを片付けることはできないし、これで説明不可能な事例も多いです。
ほんとに私は懐疑的な人間だったので、これは驚きました。正直ショックです。これが事実とすれば、どのように統合して考えればいいのか? これまで当然のように否定してきたものを、一部可能性があると考え無くてはならないと思いました。すると色々ととても大変なことになります。これを読んでから、かなり様々なことを考えさせられることになりました。

もちろん、私がこの本を読んでコロリと騙されたのだ、という可能性はあります。日本は生まれ変わりの世界観を文化の中に有しているので、信じ込みやすい土壌にあるから、私も無意識にこれを受け入れようと読んでいたから信じたのだ、という可能性はあります。





生まれ変わりなんてものがあるとは思えないが、頭ごなしに否定するよりは科学的に可能性を考えてみたい、という方に、とてもおすすめの本です。


とても堅実な、科学的な中身に対して、カバーがあまりにもオカルトチックなのがすごく残念です…
こういう表紙にしないと売れないからなのかもしれませんが…。





転生した子どもたち―ヴァージニア大学・40年の「前世」研究
ジム・B・タッカー




この世には、未知の部分のほうが多く、科学はまだまだ発展途上で、現在わかっていることも今後その多くが修正される可能性がある!と、いつも思っていましたが…ほんとに科学は上辺しか分かってないというか、探求を自ら拒んでいるのかもしれないと思いました。科学は、突き進むようでいて、保守的な側面が強いのかもしれませんね。この本にもそんなことが書いてあった気がします。
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