[感想]はじめての認知療法 (講談社現代新書) - 大野 裕



はじめての認知療法 (講談社現代新書)
著:大野 裕



タイトル通り認知療法の入門書的な、新書サイズの本。
うつ病などにおいて、考え方を修正することで、正常な心身に近づいていくという療法てなかんじです。

不安が強かったので、これでよくなるかなと思って、とりあえず気軽な新書サイズの本を購入しましたが、個人的にはあんまりしっくりこなかったです。

もう少し詳しい感想は追記にて。






優しい語り口で、 考え方の間違いを教えてくれる本


認知療法の基本の考え方に、「人は偏った考えのクセを持っている」っていうのがあるみたいですね。そのクセに気づいていこう。そして、勝手に浮かんで来ている偏った思考(自動思考)を修正していこう。っていう内容です。
夫婦の諍いなどありそうなケースを例示して、認知療法のやり方を解説しています。

全体として先生のマイルドで優しい語り口で、うつや病気の人はこういう考えになっている、ということを教えてくれる感じの本です。
ただ、具体的な症例や、具体的な治療例は殆どなかった気がする。例えばこんな主婦の例…みたいな(主婦・女性の例が多かった気がする)、イメージ的な例示ばかりでした。なんだかあんまりぴんとこなかった。

そして、途中から読み飛ばしたくなってきた…。考え方が間違ってる、っていうことを優しく何度も教えられるわけなんですが、いや…それはわかっている。自分の考えがどうおかしいかはなんとなくわかってるんだよ…と、もどかしくなってきました。わかっていることをやんわりと説教・説得され続けているような気分になって逆に憂鬱になりました。人によると思いますが、私はそうでした。おかげでそんなにページ数多くないのに読み終わるのに時間がかかりました。実際、これを読んでる途中で、別の本「不安でたまらない人たちへ―やっかいで病的な癖を治す」を読み始めてしまい、そっちを先に読み終えてしまったくらいでした…。

というわけで、私個人としては、上述の、「不安でたまらない人たちへ―やっかいで病的な癖を治す」のほうが、効果があったと感じましたし、本としてもとても面白かったです。具体的な症例がたくさん紹介されているから、というのもあるし、治療法がとてもシンプルで実践しやすいから、という気もします。


治療法


私はコラム法のやり方を勉強してみたいと思ってこの本を買ったのですが、この本では第6章にやっとコラム法の説明が出てきます。それまでには、毎日の活動記録表・楽しいことリスト・問題リストやリラックス法などの説明も出てきます。

活動記録や楽しいことリストなどを見ていると、うつで日常の行動自体が困難な状態の方向けなのかな?と思いました。私はうつというよりは、強迫観念による不安障害って感じだったので、少し違うかな、とも思いました。が、活動に点数をつけて、よくやった感を確認することは、不安が強い人にとっても自信のもとになるのかもしれないなと思います。
リラックス法は自律訓練法のような内容でした。

コラム法はシートの図があるので、拡大コピーや真似して書くことで早速活用できます。新書サイズなので、そのままの大きさで使うのはちょっとムリかなとおもいます。

他にもいろんな方法がありましたが、いずれも 「書く」というのが前提な感じの方法です。
基本的に書くためのシートがあるわけじゃなく、書き方の例示はあるものの、それも各章のなかに散りばめられているので…早速運用するには使いにくい本だと思います。これはあくまで…「入門書」…概要を把握するためだけの本です。優しい言葉で書いてあるけど、学校の授業みたいなもんです。

だから、何をしたらいいの? っていうのを先に言ってほしい、もどかしい。はやくなんとかしたいな…と思って、すがる思いで買った人には、なんだか面倒になっちゃう本のような気がします。
ほんとうにはやく実践したい、とにかく一度やってみたいというひとは、この本ではなく、ワークブック形式になっている別の本を買ったほうがいいと思います。同じ著者さんの出している本にワークブックがあるようなので、そちらがいいと思います。



こころが晴れるノート―うつと不安の認知療法自習帳
著:大野 裕




実践してみて


一度だけ、コラム法を実践してみました。

コラム法
http://www.cbtjp.net/ability/kokorogaharerucolum.html
著者の大野先生の監修するサイトでちょろっと紹介されています



正直、疲れました。私、書くのは好きなんですよ。紙に字を書くのも好きだし文章を書くのも大好きです。ブログも書いているくらいだし。そんな私でもコラム法は…面倒に感じました。

書くことがたっくさんあります。まるで論文みたいです!
状況についての説明、その数値、根拠と反証、それらを踏まえてこうあるべきであるという正常な思考、その後の分析、今後の課題等々。うううううう…。自分の不安やなんかに向き合えとは言いますが、こんなに長々と書いていられるかっ。書いててむしろ鬱々としました。
不安の根拠も反証も、本来はこうあるべきという考えも、全部わかってるんだよ! 課題、わかってるんだよ! 説教はやめてくれ!
という気分になりました正直。

これで効果が出る人もあるんだろうけど、私は効果感じませんでした。じつは、コラム法のシートを使っていないだけで、ほとんど似たような分析は、いつもノートでしてたんですよね。でも以前から改善がなかったし、これも効果を感じなかったです。

ところが、前述した「不安でたまらない人たちへ―やっかいで病的な癖を治す」に紹介されていた四段階方式は、紙に書いたりもしないのに、とても効果を感じました。

あとから思ってみると、シュウォーツさんの四段階方式では、「強迫観念に抵抗するな(ただし強迫行為に徹底的に抵抗しろ)」って書いてあったんです。コラム法はむしろ強迫観念を否定する方法じゃないですか? これって真逆ですね。
ただ、四段階方式は強迫性障害(OCD)のための治療法であり、認知療法は違うのかもしれないので、治療法も異なるのかもしれないですけども。私には少なくとも、シュウォーツさんの四段階方式のほうが合っていました。


ひとりで行うのは難しいのでは?


上に紹介した「こころが晴れるノート」の他の方のレビューにもあったんだけど、ひとりでやるのは大変、サポートが必要ってことなんじゃないかなと思いました。励ましてもらったり、一緒に納得してもらったりすれば、コラム法も書く気も出てくるだろうし、安心する気持ちも起きるんじゃないでしょうか。
ひとりで書くと、私みたいに「わかってるんだよ!」って気持ちが起きたり、鬱々してきてしまう気がしました。実際、認知行動療法は先生などの助けを借りながらやることが多いっぽいですね。病院に行かなくても出来ると思うけど、家族のサポートがあったほうがいいんじゃないでしょうか。

シュウォーツさんの四段階方式を褒めましたが、あれも、1人でやるよりは、サポートがあったほうがいいと感じているこの頃です。あれを読んで一時、すごく不安が軽くなったんですが、実は最近また不安が強くなった事がありました。そこで、家族にもあの本を読んでもらい、「自分はOCDでこのような不安が起きている」と相談すると、「なるほど その不安はまったくOCDのせいだね」と、承認してくれました。そうすると、自他共に確認することで認識が強まって、不安が弱まる感じがしました。

心の問題はやはり、共に問題に向き合ってくれる人の支えが大切なんでしょうね!
この本も1人で読むだけでなく、サポートしてくれる人にも読んでもらうといいんじゃないかと思いました。





はじめての認知療法 (講談社現代新書)
著:大野 裕

関連記事
スポンサーサイト
テーマ: メンタルヘルス | ジャンル: 心と身体
[雑記]アトピー体質の私の手荒れ治療報告! | Home | [感想]ケンガンアシュラ(裏少年サンデーコミックス)

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する