[感想]六三四の剣



六三四の剣
村上 もとか



すごく有名なので私もタイトルくらいは知ってたんですが初めて読みました。
そしてめちゃくちゃ号泣しました。

これはただの剣道少年漫画ではない…生と死の物語が剣の鏡に映っている。

漫画を読んで、初めて人生訓を得た…と感じました。
まんず、ぺっこ読んでみれ!






あらすじ


岩手の虎、東北の鬼ユリと呼ばれた剣道夫婦の間に、六月三日の四時に生まれた息子、六三四。
熱い気性と剣の才能で、就学前からガキ大将となり、名を馳せる。
一方、父のライバル東堂にも、剣の才を磨き続ける息子、修羅があった。

まだ幼い六三四と修羅の道に、壮絶な死が訪れる。
生死を剣にかける生き様、死の中から剣という生命を見つける生き様、生き抜く道が剣の心とする生き様…
六三四と修羅は、剣を手に相対して、生死の有り様を見つめている。
インターハイ、剣道日本一を決める その決着の時――




成長したい…と思った


なんかねえ、第一話からボロ泣きしてたような気が…(まあよくあることですが)
とにかく感動しました、ええい、説明するのも面倒くさい、とにかく感動するんだよっ

この漫画に対して、剣道の少年漫画なんだな…程度の考えは甘すぎるぜ!
少年漫画という次元ではない。
この漫画は、文学作品だ…純粋な、文学作品だ…。
人生が、描かれている、いや、人生どころじゃねえ、生死のことが描かれているんだ…

六三四と修羅は、剣の道を通して生死の問題に向き合い続けている、そのことははっきりと作中に書かれています。これは、単なるスポ根マンガなどではない…のですね…(涙)
岩手山のようにどっしり雄大で、青く、清く、美しい。生命の強さ、美しさを描いている…。

六三四は岩手の出身で、舞台も基本的に岩手県であり、岩手の方言、風土、そして宮澤賢治の詩も印象的に使わています。
宮澤賢治の詩を思う時、この世のものではないような清さ儚さが浮かぶけれど、六三四の剣の中では、その天上の清さを保ったままに、力強く、力強く、美しい生と死の賛美として響いているようです。

失ったもののぶんを埋め、それ以上に成長していきなさいと、母が六三四に言うのです。
六三四も、他の剣士たちも、家族も仲間たちもみんな強く成長していく。
その成長が、心を励ましてくれる。死は、別れは、悲しいだけのものではない、愛憎も醜いだけのものではない、すべて等しく、尊く美しい。それらすべてを内包しながら人は、生きて、成長していくのだと。

成長ってすごい…子供が大人になることではなく、大人も常に成長している。生きている限りは成長してるんだ。
成長したい、私も成長したいなあ、成長って素晴らしいなあ…。成長するんだ。成長していこう。
心底から、そう思いました。

ありきたりな表現ですが、ほんとに熱くて爽やかで、自分も心が強くなれそうな気がするマンガです。


剣道については、私は剣道なんてさっぱり知らんし、分からんし、特に語ることは持たない。まあ六三四もみんなも強くてカッコイイですけど、でもこの漫画は剣道以上…いや、剣道より深いもののことを描いているのだと思うので、あえて剣道については、まあどうでもいいと言い切ってみる。

いや、もちろん剣道の話ですよ?
六三四はずっと剣道一本、この漫画、最初から最後まで六三四は剣の道にだけまっしぐらに走り続けていますよ。
これを読んで剣道少年になった人が多数出たって話ですね。いや~でも、六三四も修羅も乾も日高もそのほかみんな、とんでもなさすぎて、こんな風にはなれないべな…としか、大人には思えないですが…。でも、「火の位」の気構えや、既に自分は死んだとして恐れを捨てる境地は、強く印象に残ります。きっと、この漫画を読んで剣道を始めた人たちも、六三四たちのこういう気構えを学んで、強くなることができたんだろうな。



なんてすごい漫画家さんだ!!


作者の村上さんは、ちょっと前にドラマで話題になってた「JIN―仁―」の作者さんなんですね。私はドラマってさっぱり見ないのでよく知らなかったんですが…。でも、この六三四の剣は結構昔の作品…のはず…、ってことは六三四の剣は村上さんのお若いときの作品ということになるのでは? それでこの深さ…なの…?? この完成度…この濃密度…この人生観…。
なんてすごいんだ…すごすぎる、村上さんってひとは、すごい漫画家だ…絶対間違いない…。と、半分読まないうちから、思いました。(wikiを見てみたら、六三四の剣は、村上さん30歳のときの連載開始のようですね)

大好きな漫画家、尊敬する漫画家、天才だ、芸術だ、傑作だ!!心からそう思う素晴らしいマンガにたくさん出会ってきたけど、なんかこれはそれと違う。単なる美術的な、芸術的な良さではなく、深い人生観…そこに打たれました。

よく、マンガから(人生を)学ぶ…みたいなことを言うけど、私はマンガでそこまで深いものを学んだことはなかった。マンガのことを侮ったことはなく、マンガはどれも一級の美術・文学作品であると常々思って、鑑賞していましたが、それでも自分に食い込んでくるほどのものを学んだことはなかった気がする。いや、たぶんそれは、マンガだけではなくどんな文学作品や映像作品からも、そこまで学んだことなかったんだと思うんです。

六三四の剣で初めて、人生訓を学んだ、という感じを受けました。
それは私が、やっとそういうものを学べるだけの精神年齢になったってことかも知んないですけどもね。
とにかく、素晴らしい作品でした。

こんなすげえ作品を書く漫画家さんだ、他の作品も間違いなくとんでもないに違いない…と思ったので、近所のブックオフで早速JINを仕入れてきましたよ…。後日、読みます!

六三四の剣は、デジタル/レンタルで読んでしまったので…これも、また読みたくなったら今度は、入手だな…。




六三四の剣
村上 もとか



♡恋愛模様について
乾と もなみちゃんの愛は美しかったですね…最高でした…人を寄せ付けぬ白磁のような美しさでした。六三四と嵐子の恋は爽やか過ぎて、故にこそ六三四がめちゃくちゃかっこよすぎですが、あの岩手コンビがラブラブだとどーなるのかももうちょい見たかったすー! まあ、たぶん、もう既に家族みたいにフィットしている互いの関係だから、どうせあんまり変わらないんだろうけどね~☆ 

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