[感想]テイルズ オブ ジ アビス(3DS)
テイルズ オブ ジ アビス(3DS)
バンダイナムコゲームス 2011-06-30
by G-Tools
個人的おすすめ度:(3DSのRPGとしては買って損なし)
長々とだいぶ遊びつくしましたのでやっと総合感想です
少なくとも3DSの…携帯機のRPGとしては☆5でお勧めです
PS2だったっとしたら うーん それはまた別評価になりそうですが。
もともとPS2のゲームをフル移植ですから、ボリュームはまさに文句なし。
まだこのゲームを遊んだことがないけどRPGが好きで3DSもってるという方なら、
遊ぶ価値があると思います!
まとめ
・解像度低いがアニメーション以外全部3D化
・クリアまで60時間程度、周回プレイ対応
・さすがのボリュームでサブイベ・ミニゲーム豊富
・携帯機のRPGとしては圧倒的なボリュームではないかと
・3DS版の追加要素はそれほどでもない
・意外と残酷シーンが多い(全年齢対象とは思えない笑)
・わかりにくかったり納得行かない演出が多少あり
・考察しがいのある謎多きシナリオ
・テイルズは合わないと思った私でも楽しめました
これだけ遊べれば万々歳
シナリオに好き嫌いは、たしかにかなりありそうなのですが、携帯機のRPGでこれほどのボリュームで遊べれば損はしないでしょう。もともとPS2だし看板タイトルだし記念作品だそうですし、ゲーム面での手抜きはありません。特に非常に豊富なサブイベントやたくさんのミニゲームがあって、これぞ遊べるRPG! しっかりサブイベントをこなせば70時間くらいは遊べそうな気がします。更にコンプリートを目指して周回プレイすることを組み込んであるシステムなので、100時間以上楽しめることでしょう。
わたしはテイルズはそれほど遊んだことないんですが、ミニゲームの豊富さやコンプ要素、引き継ぎ要素の選択などの遊べるシステムの整備具合は本当に素晴らしいとおもいます。作り手の自己満足にならず、遊んで楽しいゲームとしてしっかり考えられていると思います。
大ボリュームなのはPS2の移植だからなのは当然そのとおりなんですが、故にそれを携帯機でまるっと遊べる手軽さはとっても買いだとおもいます。
3DSの容量の大きさという理由もあるだろうけど、今後開発される3DSのRPGにこれほど金をかけて大ボリュームのゲームが出てくるのかどうかは…微妙なところなのでは…。というわけで、まだアビスを遊んだことがない方は、この際なので買って見る価値はあると思います。
3DSである利点と短所
PS2版をやっていないので比較はできないんですが、3DS版の特長を考えてみる
ゲーム画面は、アニメシーン以外3D化されています。実によく3D化されています。もともと3Dじゃないんだから、ほんとに大変だったろうなあっておもいます。すべてのマップなどにいちから立体度のデータを付けて、更におそらく解像度を下げる作業もやったでしょうから、ほんとうに大変だっただろうなあ。
しかし、3Dだからすごくいいかというと…まあ、あんまり…そんなに…それほど…でもない…。でも、たまに3Dでじっと背景を見てみると、臨場感があって綺麗なマップもあります。ゆっくりと景色を見ながらプレイ出来れば、いいものだと思います。
下画面については、ほとんど活かしきれていません。使うときは…… 戦闘終了後の料理のショートカットくらいかな…ハハハ…。 タッチペンを使うような要素も特にありません。結論:ダブルスクリーンは生かせてないです。 もっとお金をかけられたら、下画面もいろんな活用を考えられた気がしますが、お金と時間的に無理だったのでしょうね…。
ロードはほとんど時間がかからず、ストレスはありません。PS2版はロードが長かったって書いてあったような気がしますが、まったくそういうのは気になりません。DSって比較的ロード早いの多いですよね。PSPはロードが激遅なソフトもあって、ガーガーギーギーうるさいのがイライラするんで、3DSである最大の利点はそこかもしれません。
通信要素はありません。3DSはすれちがい通信を活用しているソフトが多いですが、これはまったくないんで、そこは…まあそこも…仕方ないでしょうね…。
DSであることの短所としては…スタートボタンを使うシステムがわりとあったのが問題だと思います!! フェイスチャットを再生する・自動操縦を開始する・操作キャラを変更するときにスタートボタンを押すのですが、間違って電源ボタンを押してしまうんだよォオオ!! DSiと3DSのスタートボタンは良くない位置にあると思ってやまない。絶対にだ! だからDS系のゲームはもうスタートボタンを押すようなシーンを極力なくしてほしい!!たのむ!
バトルシステム
私はテイルズのバトルはあんまりよくわかんなくて、結局しょぼしょぼでしたが、クリアする頃になってやっと少しコツが分かって来ました…少し。2周遊ぶを前提とすれば、ま、それもいいか。
わかりにくいけど、FOF変化というフィールド要素とフリーランシステムでうまくするとかなりアクティブなバトルを楽しめるきがしますね。やりこむほど楽しくなるってことかな。
それほどすごくいいとも、それほどすごく嫌だとも、思わずじまいだったけど、あ、でも、AIが頭悪い。要らない術・技を使わないようにきちんと指示しないと無駄なことばっかやって足を引っ張ってくれるのが辛かったですよ…。AIを思ったように動かす方法はわかりにくいと思います。
成長システム
ADスキルもCコアもFSチャンバー?もかなりわかりにくい。全然きちんと説明してくれないし。今時のゲームと違って、ゲーム内に細かいチュートリアルや説明書がついていないのでさっぱりわからん。
でもま、それも分からなくてもノーマルのクリアは余裕でできるので、2周目にこだわってみるという遊び方でいいのかもしれません。2周目にこだわって見ると、それなりに楽しめるシステムのようにも思います。最強キャラを作るぜー!的な。
音楽
音楽は…テーマ曲がバンプで、劇中のBGMにも藤原さんが作曲したものが一部使用されているということは豪華だと思います。しかし、それを除けば…正直、不満な点が目立ちました。妙に手抜きなBGMが多数使用されていて、音楽の演出でテンションが下がってしまうことがありました。
たしか、あまznのサントラのレビューで書いていた人がいた気がしましたが、音楽をテーマにしたシナリオなのにそれにふさわしいほど力が入っていないって…。藤原さん系統の曲だけがそういうシナリオに沿った音楽作りがされているけど、あとは…統一感もないし、手抜きだし。つまり、ひとつの主題を持って統一感を持って作って欲しかったなあと思います。残念でした。
サントラの感想はこちらに書きました↓
http://kameana.blog64.fc2.com/blog-entry-636.html
あと、生音は処理の問題かスピーカーのせいか、ぶつぶつと少しキレることがあって少し気になるけど、仕方ないかなと思います。
グラフィック
3DSの画面の問題でしょうが、解像度が低くて、キャラのポリゴンなどが見にくかったり、立体視で微妙なピクセルが見えたり…限界は感じました。 でもそのあたりはキャラのポリゴンだけで、背景はそんなに気にならなかったです。
解像度下げしたり3D化しただけでも大変なことだったと思うので、仕方ないかなって思いました。
もともとPS2のゲームだし、背景デザイン自体は綺麗だと思います。ただ、フィールドはリアルの追求なのかそれほども地平線処理の対策なのか妙に曇っているのが気になりました。
シナリオ
攻略本も見ずに1周しただけだと分からないような複雑で謎多いシナリオで、私好みでした。独自の世界設定や独自ワードもOPからガンガン飛ばしてきてて、私好みでした(笑) あの、いきなりついていけない独自設定を飛ばしまくるかんじ、ああいうの好き(笑)
2周目をプレイして考察しがいがあるし、また、独断と偏見で自分なりに解釈できる自由さと不確定さがあります。そういうの好き(笑) そういうのが嫌いな人には多少苦痛なシナリオかもしれません。
また、全体的にシリアスで…残酷なシナリオで、割りと救いのないところが多いです。私ですら、これはちょっと残酷すぎるのでは…と思うようなシナリオ展開がちらほらありました。全年齢対象のRPGでこれは…と思うところがあるので、嫌な人は嫌かもしれないですね。
性善説なのか性悪説なのか…なんとも…なんとも… ひとりひとり見ると性善説なカンジがするんだけど、全体のシナリオは性悪説的な・悲劇的な雰囲気が漂ってます。
キャラクター
実に、性格の悪い人が多いです(笑) 主人公も性格が悪い部類に入るのでしょうねこれ、自己中で非常識な主人公…それだけならまだしも、そんな主人公の性格を快く思わない性格悪い仲間たちとの旅。空気が悪い。仲が悪い。ギスギスする。険悪で陰険。
これほど険悪なムードの仲間たちのRPGってのも…あんまり…なかったきが…。その点については、私も非常に不満です。意図的に雰囲気が悪くなるように演出されていると思うからです。
そういう演出をともかくとしても、やはり一曲も二癖もある仲間たちです。腹黒キャラとか暗い過去のあるキャラとかそういうのがお好きなら楽しめると思います(笑)
特にメガネの男の設定は特筆すべきものがあります。このキャラだけでもやっていけるというほどの傑作キャラだと思います。素晴らしいです。この眼鏡の男目当てでも遊ぶ価値ありますよ、ある意味(笑)
演出
イベント演出の空虚感がなんとなく気になりました。グラフィックも綺麗に作られてて、声も主要イベントではフルなのに、イベントの演出がぬるい、妙な間があったり、映像的に意味不明だったり、直接的に描いていなかったり、臨場感がなかったり…。 妙な感じがずっとありました。 あらすじでストーリー解説のシステムがありますが、それを見て初めて、「え!?そういう意味だったの今のイベントって…」となることがあったりして、つまり、演出が悪いんだと思います、伝わらないところがある。
それ以外にも、シナリオ演出に…意図的な操作を感じました。キャラクターの性格との齟齬・違和感を感じるようなシナリオ演出が…私にはとても感じられたのですが、それは私だけなんでしょうか。私のキャラクター解釈が間違っている…のかもしれませんが、こんなことを言う人じゃなさそうなのに…というシーンが多くて気になりました。
いろいろと…しつこい点も多くてね。イライラもやもやムカムカする点がありました。たぶん同じ感想を抱く方は結構いると思います。
シナリオ的にはそういう問題点を含めて、考察のしがいがあるので、考察が好きな人にはいい材料かもしんない、ある意味で(笑)
ミニゲーム・サブイベント・その他やりこみ要素
ミニゲームはRPGの大切な要素と思ってやまないこの頃。この頃の携帯機RPGはミニゲームが削られていてとても残念な思いをしているのです。このゲームではとってもたくさんのミニゲームがあって素晴らしいです。それぞれのデキはそれほどでもないんだけど、でもたくさんあるだけで彩り豊かです。
シリーズの伝統なのでしょうけど、称号や料理などコンプ要素も多く、二周目以降を楽しめる点も良いです。
サブイベントも実に豊富で、攻略本を見ずにプレイしたらとても全てのサブイベントを回収することはできないと思います。ゲームとしてのお楽しみのサブイベントだけではなく、シナリオ演出のためだけのサブイベントもたくさんあって愛があっていいなあと思いました。
フェイスチャット
かなり膨大な量がありますね。すごくどうでもいいことでも発生したり、すごくどうでもいい内容だったりして、テイルズのキャラゲーたる所以と思ってましたが…この作品のフェイスチャットはかなり重要な意味があるなあと思いました。イベントの演出がいまいちなので、キャラの心情的な補足がフェイスチャットでされているケースが多かったです。効果的に使われていると思います。
また、ギスギスしがちのメンバーなので、これでくだらないトークをしてくれないと気持ちも荒みます(笑)
フェイスチャットの見た目自体は ちょっと…しょっぱいですね(笑) 画面が小さいせいもありますが、なんか…みすぼらし…げふんげふん。頑張って作られてはいます。努力は感じます。
追加要素
3DS版の追加要素は、めぼしいものはそれほどないみたいですね。なんというか意外です…秘奥義が追加されてる?くらい…なのでしょうか。 もともとPS2版をやってないのでそこは なんとも思わないっちゃ思わないけど、なんか追加されてたら良かったね。 でもボリュームは十分なので仕方ないかな。
結論
シナリオに好き嫌いはあるだろうけど、ゲームとしてのボリュームは素晴らしい。
疑問や不満も多いシナリオだからこそ、深読みしがいがある。深読み・考察好きな人ならおすすめ。
テイルズ オブ ジ アビス(3DS)
バンダイナムコゲームス 2011-06-30
by G-Tools
個人的おすすめ度:(3DSのRPGとしては買って損なし)
(私信)あさぎさん ありがとうございました!!!!
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