[感想]シャーロック・ホームズ クリスマスの依頼人

4562031514シャーロック・ホームズ クリスマスの依頼人
レジナルド ヒル E.D. ホック ジョン レレンバーグ
原書房 1998-11

by G-Tools



クリスマスをテーマにしたホームズパロディ(贋作)のアンソロジー
14話?入ってボリュームはたっぷり。

いちおう、クリマス期間に読んでね的なものなのだろうけど、
あんまり子供向けではないなあ。という内容でした…むしろ大人向け

十人十色で、バラエティ豊かで突っ込みどころがあって楽しいっちゃ楽しいです
一個くらいは好きな話が見つかるのではないかと!






結局ホームズとクリスマスなんて関係ないのだと言われればそうかもしれない


しかし、クリスマスをテーマにしたということは、青いガーネットみたいな心温まる話ばかりかと思うと、いやいや、なかなか凶悪な犯罪やら後味の悪い話やら皮肉な話やらあって、「クリスマス的な暖かさ」は無視してるな…と思いました(笑) 書く側的に、クリスマス的な優しい話は他の人が書くだろうと思ってみんなカライ話を書いちゃったとかいうアレかなあ…と思った(笑)
なので、クリスマスに子供に読ませるのはあまり適さないと思う…(適する話も少しはある)

クリスマスはともかく、アンソロジーとしてそれぞれの作者さんのテイストを楽しむにはいいんじゃないかなあとおもいます。今まではアンソロは読んでなくて、一人の作者の短篇集ばかり読んでたのですが、アンソロってのもいいですね~。カラフルで突っ込みどころや萌えどころがそれぞれ違ってて楽しいです(笑)ハズレもあるかもしれませんけどね。
ただ、そう、クリスマス・キャロルネタが2作品でかぶっていたのはちょっと微妙…

このシリーズのパート2も買ったので、そのうちいつか読む。




各話感想


クリスマスの依頼人
第一話からもやもやしまくってしまった…まず私の好きでない有名人ネタ。しかも なんだか奇妙な経緯がしっくりこない。なんでこいつを狙ったのか?その目的のためなら他の人でもいいんでは?それとも最初からホームズを狙ったのか?暗号の意味は誰が理解できたのか?っていうか、被害者巻き込む意味あんまりなくないか?そしたらやっぱりホームズを??なんか納得いかない! ××ネタは…今の私にはちょっと苦痛。

クリスマス・ツリーの冒険
一話目がガッカリだったのだけど、この話で気を取り直した!すごくよかった!!!序盤の感じは明るい雰囲気が楽しかったし、冒険らしい展開だったし、ホームズの超人ぶりが遺憾なく発揮されている!嗅覚についての話にほのかにホームズの育ちが感じられるところがドキッとした微妙な萌え。そしてワトソンさんの『用途』が酷いところもたまらない。ハードボイルドで『冷酷』なところが。この本の中でも一番、ホームズが残酷でよかったです(笑)これは偽悪ではなくて、もともと中身が冷たいんだ。そんなホームズも好きだ。

過去のクリスマスの探偵
なんとなくホームズらしい話でした、証拠とか事件の概要とか。なぜか躁状態でやたら元気に歩くのもかわいいが、こんな事件の最中にさらっとお薬を調合してくれたところは…さっ!さすがはホームズ!!萌えるしかない!実験大好きだからその手のものはなんでもできるよね

冬の醜聞
少女の一人称を取る、あの二人をこうして見るのは面白い趣向です。たまに客観的に見たいよね!人から見るとこう見えるのか…そして二人(主にホームズだが)が放つカリスマが少女視点だからこそ純粋に迫ってきてすごかった。ただ結局そのネタかあーっ!ですけども、非常に落ち着いた雰囲気で、深みがある心模様、クリスマスの気品のある話でした…。うーむ…。最後のところねえ…気品があるからこそなんとも…

クリスマスの幽霊事件
クリスマス・キャロルネタ。クリスマス・キャロルを読んだことがないので、魅力が半分もわからなかった。

クリスマス・シーズンの出来事
タイトルが平凡すぎて内容が結びつかなかったけど、ワトソンさんが主人公!歓喜!な話だ!やったぜ!いや、なんだかんだ言ったって、ホームズ派の私だって、ワトソンさんの活躍する話となると大歓喜してしまう。ワトソンさんが主人公の話だけを大量に読みたいと思う位にはワトソン好きです。
最後に、ホームズだけ、??になってるシーンがもう最高!そうやってもっとホームズを蚊帳の外にしようぜ!しかしワトソンは慎み深いなあほんと。

犬の腹話術師
これは!マダム!!二度見!!!おおおおお!!それに尽きる。降霊会ネタを加えてきたところもなかなか深いんだろうけど。
あと、この人種は特殊な施設に云々…というワトソンさんの冷静な偏見がツボでした…笑える

イヴの鐘
犯人は、やはりそうか!犯人が痛快だった。またそーやって根に持つホームズも仕方ないなあと思うけど、結局こうして彼の偏見が失敗を生みまくってるだけなんでないかな。

笑わない男の事件
何はともあれ、オチというか、二人のこのクリスマスはとっても可愛い!微笑ましい!!やる気満々のワトソン君と並んで、内心ちょっとは楽しいホームズに違いないんだからね!ワトソン君の秘密のこの才能もいいし、ホームズはやっぱり当然そう、そっちも完璧だろうなー♪という、すごくいい絵が見れる!(脳内で)

三人の幽霊
こちらもクリスマス・キャロルネタなので…やっぱりわからないので、ちょっと途中で読むの諦めた。クリスマス・キャロルをなんとか読んでから読んでみようかと思った。

十二夜の盗難
初っ端から私の神経がピリピリで、なんだとー?!って必死に読んでしまったではないか!!若い浮かれたホームズというのは、それはそれでみて見たいけどね。ホームズらしからぬ可愛いセリフが多くて参った! 行動もかわいかった。 オチは、またそうきたかと思ったけど、謎の人物のこの新たな設定は、客観的には非常に美味しいとはおもうよ…なるほど…そういう…でもそうするとあれはどうなるのか?またあらたなる伝説が生まれそうだ。

国境地方の冒険
暗っ!!く、らあっ!!というのがとにかく激しい読後感!!なんだこれは、クリスマスアンソロジーにはとてもではないが、入れてはいけないのでは!?
あと、読んでてどうしても、なんだか頭が付いていけなかった。
それはともかくとして、オチのホームズの犯人に対する評価は、なんというか、畏怖をさえ伴っていて、そういうところは興味深くて、重々しくていい不気味さ。クリスマスものでなくていいと思う…これは。

天使のトランペット
弁護側ホームズというなかなか珍しいシチュエーションが楽しい。たしかに、検事側では活躍してただろうけど、弁護側はあんまりないのかも。ネタ的にも、意外と私は好みだった。

イタリアのシャーロック・ホームズ
自称ホームズの弟子が暴走するイタタ展開に二人ともウンザリな話。皮肉たっぷりで、嫌な感じにおおいに笑える…。
個人的に萌えたのは、寒さに震えてるホームズ!珍しい(熱い寒いは耐性が強いホームズだからなあ)!コートを貸してあげたくなるワトソンさん!もちろん、それも理由があったという、してやられた感がまたたまらんのですけどやっぱり震えてるホームズかわいい。あと、序盤神経衰弱状態なとこは具体的には書いてないけど見たかったですね…あ、でも、笑顔を見れるだけでいい、元気になってよかった!のワトソンさんはすごくかわいい。最後のオチのところも、美味しかったと思います…メモ魔ワトソンさんに釘を刺す。
でも話は難しくてよくわかんなかった。うーん?あいつは、悪いやつなのか??ただのバカじゃないのか。だとしたらなんてやつだ。 あと、イタリアのワトソン君が鋭いツッコミと強烈な皮肉でラブでした。むしろ好きですこのイタリアのワトソンくん、彼の話が見たいくらい!




どうでもいいが 誤字?


中古で買ったんですが、誤字の酷さにはちょっと閉口。誤字多いなあ、さすがに多いなあ。私並みに多いなあ。ちゃんと校正したの? 校正するお金がなかったの?
実は裏表紙にも誤字があったんですが、中身も誤字が多い…
意外と気になるものだなあ



だがホームズとクリスマス


ホームズは「クリスマスなんて興味ないね!!」「むしろうんざりする!」をほとんどの話で連発しますが、ホームズとクリスマスの関係を妄想するのは実にいいですね。
演技的に感傷的になることもありそうな気もしている私。嘘っぱちでクリスマス風なホームズはいいじゃないか。そうやってクリスマスを見下すホームズは。だって気まぐれで芝居好きなのに。芝居好きと合理主義とはほんとに変なバランスだよなあ。
クリスマスになると超鬱になって超無口で死んでるホームズもいいが、超ウキウキのワトソンさんのためにちょっと仕方なく付き合ってあげるホームズもいいなあ~。クリスマスとホームズはいいねただなあ。誕生日ネタはやはり創作のためタブーなのか扱いなかったと思うけど…誕生日憂鬱ホームズというのもいいとおもうなあ。

あ、そういえばこのお話のどれだったか、お互いにちゃんとプレゼントしてるホームズとワトソンさんがいてかわいかったです。ちゃんとプレゼント選んでるホームズかわいい、まあホームズの推理力を持ってすれば、真心のプレゼントというより純粋論理的プレゼントを簡単に選ぶことが出来るのだろうね。別の本で、ワトソンさんがホームズにありがた迷惑なプレゼントをあげてた話もあったなあ…(笑)一度も着なかったパジャマ(笑)




4562031514シャーロック・ホームズ クリスマスの依頼人
レジナルド ヒル E.D. ホック ジョン レレンバーグ
原書房 1998-11

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コメント

読みました―!

「冬の醜聞」と「クリスマス・シーズンの出来事」が面白かったです!

前者は"銀のステッキ"と"角ばった熊さん"っていう新鮮な視点、この1点でやられました。それにしてもワトスン君って、角ばってんのか・・・いや、わかってる、わかってるよ、角ばってるんでしょうよ、中肉中背がっしり体型だもんなぁ、首が太いとかもどこかで書かれてたし、ううう、個人的にはがっしりさは強調しないでおいてほしい(笑)

ラストがほんわかする話が多かったですね!
幽霊の話は私もあんまり気乗りしませんでした。

> クリスマスになると超鬱になって超無口で死んでるホームズもいいが、超ウキウキのワトソンさんのためにちょっと仕方なく付き合ってあげるホームズもいいなあ~。
想像してにやけた(●´ω`●)

あとクリスマス・プディングが気になって仕方ないワトスン君がツボでした(笑)

2014/06/20 (Fri) 20:49 | みかん #- | URL | 編集
Re: タイトルなし

みかんさん>

おお!お疲れ様でした☆
詰め合わせ感がカラフルで面白いですよね


> 前者は"銀のステッキ"と"角ばった熊さん"っていう新鮮な視点、この1点でやられました。それにしてもワトスン君って、角ばってんのか・・・いや、わかってる、わかってるよ、角ばってるんでしょうよ、中肉中背がっしり体型だもんなぁ、首が太いとかもどこかで書かれてたし、ううう、個人的にはがっしりさは強調しないでおいてほしい(笑)

それは複雑ですよね(笑) 私も微妙にフクザツな気分になりました(笑)結局どんだけごっついんでしょうね。たしかに、強そうなワトソン君というのもいいと思うんですが…(笑)客観的に見れば、激痩せ+ゴツイでバランスがいいとも言えるのだろうか…。


> 幽霊の話は私もあんまり気乗りしませんでした。

ね…でもおかげで、クリスマスキャロルを読むきっかけになりました。あ、その本をそれから再読するの忘れてた…;


> あとクリスマス・プディングが気になって仕方ないワトスン君がツボでした(笑)

あ、いましたね(笑) 食いしん坊はいいですなあ! 実に可愛らしい☆

2014/06/23 (Mon) 15:38 | KMOK #WlAMjTRI | URL | 編集

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