[感想・雑記]EXIT S.H.で読む緋色の研究第一部

はいっ。
「ホームズ最後の対決(原題EXIT Sherlock Holmes 以下EXITと略してます)」を読んでから私のホームズ世界は、悲しいかな、完全に次元が移行してしまったのです。それは不可逆の相転移だったのです。

改めて言おう。あのパスティーシュを読もうという方は 本当に気をつけて読んでください。できれば、もうパスティーシュはあらかた読み終わった、もう読むものなど無いというまで読んでしまったあとでもう何もないから仕方なくなんとなく程度で読んでください…しかも決して期待せずに。正典読み終わってすぐとかは避けたほうが無難です。
だからもう、読まなくていいって(笑)

というほどどうしようもなく fitな私が、EXIT目線で緋色第一部を読みなおしたしょうもない感想なので、EXIT読んでない人には何の意味もないただ単に一人で暴走している感想は以下追記。





よく考察したかったけどなんだか散漫になってしまう。
とりあえず、訳してて思ったこととか、忘れない内に書いた。
というか、ほんとに自己満足なので、まあいいか。
引用は、自己流の翻訳なので間違いがあるかもしれませんのであしからず。



しばらくの間、私はストランドのホテルに居を構え、慰めもなく侘しい日々を過ごし、甲斐もなく無意味に昼夜を暮らし、そして分不相応に随分と金を使い荒らした。


ワトソン君がこんなに自堕落なやつだったとは再読するまでまったく思い出しもせずびっくりした(笑)緋色のワトソンくんはなんだか…変なノリになっている。病気とかのせいでほとんどうつ状態だったんじゃないかな。することがなさすぎて…変になってるんだな。と思いました。でも元々は立派な人なんだよね。ん?ほんとにそうか?


ある分野の科学に熱心な人でしてね…。僕の知る限りにおいては、十分立派な研究者です


うーん、EXIT的にはこのへんが、うーん?って頭ひねる感じですよね。立派な研究者…。研究者生活はどのくらいの間やってたんだろ。スタンフォードをして、一流の研究者と言わしめる彼の研究者っぷりの板につき具合…いや、彼は思わせることが超一流だから期間なんて問題じゃないのか…いや、でもシャーロック・ホームズ法の専門具合はねえ…一朝一夕ではできることじゃないんじゃないかと…。
それはともかくとしても、彼がどうしてこれほど化学に熱心だったのか…個々でやってた研究はやっぱり犯罪学に関わる研究だったみたいだし…探偵をやる以上はまずは基礎としての科学捜査手法の確立が必要と思ったのかな~。


「見つけた!! 見つけたよ!!」彼はスタンフォードに叫び、試験管を片手にこちらへ駆けてきた。


前も書いたけど、もうミュージカル風に踊りながら走ってくるイメージしかないわ。目に星がキラキラ状態で。くるっとターンして。白衣で。白衣をひらひらさせて。白衣で。白衣絶対希望でおねがいします。やっぱミュージカル仕立てでやってくれないかな。ミュージカル「緋色の研究」(笑)


 彼は目をキラキラ輝かせながら言って、胸に手を当て、まるで想像の中の拍手喝采の大群衆に向かってするように、優雅な一礼をした。


これはもうまさに彼としか言い様がないでしょう!! 感動しました!! ほんとに! ああ~彼だ!! この頃の彼はやっぱりこう、まだ、ホームズが板についていないのかもしれない。おかげでついついはしゃぎ過ぎるのかな。ところでここのところの文章がすごく難しかった…想像の中から呼び出した群衆に向かって…とかいう。彼の眼には映っているんだな!ということですよね。意訳でついつい、彼の眼には見えているんだろう。と付け加えたかったです。 彼にはいつも見えてるんだろうなあ…


元気だった頃は他にも色々と悪癖がありましたが、


自堕落になったのは怪我と病気のせいで…元々は立派な人だったんだ…と思ったけど、どうだったのかなと思う一文。冗談めかして言ってるとは思うものの…いや、実はいろいろやってたんじゃないかやっぱりワトソン君…と思った。悪癖っていうのがね、意外と重たい印象を受けた…訳していると。


「あなたの『騒がしいの』の分類の中に、ヴァイオリンの演奏は入りますか?」彼は心配そうに尋ねた。


心配そうに!あの傍若無人のホームズが心配そうに!!! と、思ったのは私だけ? そんなにヴァイオリン重要なんだ! 彼にとってヴァイオリンはそんなにも手放せないものなんだ…。どんな、なんでも、できるはずの彼にとって、代えがたいほど重要な、共通の生活の、つまり彼自身の一部なのかヴァイオリンって! 慰みの一つだったのかな…なんとなく分かるような気もしますね。音楽好きそうだし…遠い彼の世界を描きうるものは楽器だけなのかもしれない。
ところで、上手ければいいけど下手なのは…と言われて、遮る勢いで自信満々に大丈夫!って言うあたり…自信家の彼としては、やはり自分は上手い、完璧、ワトソンくんも喜ぶだろうと考えてるに違いない。彼としてはそんなに彼の音楽とこの世界の音楽が違わないと思ってたのかもしれないな~って思って、興味深くないですか?確かに今の我々は現代音楽とクラシックを並べて聴くことが出来るから、そんなに違和感を感じていないかもしれないですね。


「えっ!じゃあ謎ってわけか!?」私は叫んで、手をこすり合わせた。


あのね、べつに野次馬根性じゃなくって、あまりにも退屈だったからなの!と言い訳しまくってるけどワトソン君、それにしても、その場でヒきそうになってた割には、この好印象ぶりは不気味だなあと思いませんか。訳してて私はすごくそう思った、乗り気すぎじゃないかなあワトソン君…って。だからさ、暗示掛けられたんだってきっと(笑)


虚ろなその目の色を見ると――常の暮らしぶりの節制と清潔さがそんな考えを禁じていなかったなら、麻薬の類の常習者なのではないかと疑ったかもしれない。


何が驚くって、節制と清潔さだってよ!? この頃のホームズは、依存症を疑うなんてとんでもないというほど素行が立派でキチンとした生活習慣で早寝早起き朝ごはんだったのですよ!? ええ~!? それがどうしてああなった? 夜はいつも夜更かししまくり、朝起きてるときはむしろ徹夜した時で、煙草に薬に他にも依存症がありそうだよガクブル…という人物に…(笑) ホントびっくりですね、きっとドイルさんがもっと変人のほうがいいと思ったから変人にしただけなんだろうけど。いや、ここはEXITで考えるコーナーでした。EXITで考えればやはり時を追うに従ってどんどんストレスがたまっていってそうなったんだろうと…最初の頃は我慢出来てたのね。不規則な生活は仕事が忙しくなりすぎたせいかもしれない。そういえばちらっとEXIT読み直してたら、例の悪癖をやめられたのは最後の事件の後…であることは、やっぱりぜったい意味があると思うので、だんだん節制と清潔さがダメになったのはそういうわけに違いない。
で、ところで、ではこのときの虚ろな眼の色の理由はなんだろう。本気で捜査しているときも夢見るような色をしているって書いてあったので…集中すると、ちょっとまともじゃなくなる…ってことなんだろうか。ぼーっとする、この「無気力期間」って、ほんとに単に疲れて反動が来て不可抗力的に起きる自然の体調的な現象なのか、それとも鬱なのか、それとも、別なことを考えているからなのか、全部かな。


彼の際立った個性と外見とは、特別ぼんやりな人だって注意を引きつけられずにはいられないものなのである。


ずいぶん目立っている人だったんだな…? 有名になると、目立つことと有名なことが一緒になってしまうからわからないだけなのかな、そんなに目立つ人だったというイメージは読み直すまでは、あんまりなかった個人的に。目を奪われるほど釘付けになる個性的な人なのですね…。
「彼」はカリスマだから、そういうオーラを持っているに違いないと思うんだけど、この時の彼の使命からすれば、むしろ没個性なほうが理にかなっている気がするので、没個性オーラも出せそうなのに、なんでかなあと考える。いや、むしろこれは暗示をかけられたワトソンさんにとって、他の人以上にそう感じられているのではないかなと考えてみた(笑)
そうかんがえたら面白いんだけど、でも、ワトソンさんに暗示を掛ける必要なんてあったのか。
いやいや、でもやっぱりなぜ彼はあれほど世界への干渉を避けていたのにワトソンさんと同居しなければならなかったのか。ほんとに財布に荷が重くて…だったのか、ベーカー街に住む必要があったのか。地下室の存在?でも同居人がいたら秘密がバレる可能性が上がるじゃないか。もっと秘密な場所が他にありえなかったのか?
ワトソンさんとの出会いは計算外の奇跡だったというようなことを彼は言ってた気がしたけど、ここんところはほんと、彼における最大の謎じゃないかな、と思ってやまない。


私がトーマス・カーライルを引用した時、彼は それは一体誰で何をした人物なのかと、無邪気に問うたのである。


勘ぐって妄想していて、私に閃いたのは、彼は本当にトーマス・カーライルを知らなくて、しかも知らなくて当然の理由があったという説です! 彼の世界においてはトーマス・カーライルはもはや忘れ去られた存在で、ごく自然に「誰それ?」って聞いちゃった、そんな彼だったら可愛いじゃないですか。うん…でも彼ほどの人ならそんな無邪気で無作為な失敗を犯すとは思えないんですけどね正直。ワトソンさんが「いかにも常識的に引用した」という気配を感じ取ったら、全く知らなかったとしても絶対に話を合わせることが出来るはずだな…。なので、やはり、それもこれも全て彼の策略…。
地動説のことを知らなかったのも、トーマス・カーライルを知らなかったのも、全ては彼の「19世紀的常識の欠如」を自然なものとしてワトソンさんに納得させるための壮大な設定だった…というのが、一番自然かな…。とんでもない不自然な自然を創りだせる恐るべき設定に改めて今、感心しました(笑)し、しびれる


しかし、彼に任せておくと、めったに楽曲などは奏でず、聞いたことのある旋律をさえ弾こうとしない。夕方になると、彼は肘掛け椅子にもたれ、目を閉じて、膝の上に投げ出したヴァイオリンをぞんざいにかき鳴らしていた。


あれほど自信満々に、ああ、下手な演奏なんて心配しなくてOK!と請け合ったのにこの始末。ということはプライドの高い(おそらく高いと思う)彼のことだから、このスタイルが彼的にはれっきとした演奏スタイルだったということではないでしょうか。彼の世界において、ヴァイオリンは膝の上に投げ出してぞんざいにかき鳴らすのが結構主流だったと考えることが可能ではないか。調べてみたんですが現代においてもヴァイオリンはかき鳴らすのは一般的奏法ではないようですが、可能性を探っている人もなきにしもあらず…な気配もあるので、うん、ありうるかもしれませんよ。ピッツィカートだって元々から想定されたものではないんでしょ(よく知らないが)。だからありうるかもしれません。
ほんとに彼と音楽の話は、ちらっと言及しただけなのに超感動した部分だったので、妄想したい大いなるテーマです!


ルコックなんて下劣な大間抜けだ


デュパンさんとルコックを貶すところなんですが、デュパンさんに対しては結構遠慮を感じるのに(まあ、ドイルさん的にはあたりまえかもしれない)、ルコックさんにはホントに酷い言い様で(笑) 彼的にはこのへんは、もう、なりきりな感じかなあと思う…もう、「シャーロック・ホームズはこう言う」という感じなんじゃないかな。現在でもルコックさんは検索してもあんまり本が出てこないんで…彼の世界でももうあんまり有名じゃないだろうなとは思う


名を上げられるくらいのものを持ってるのは自分でもよく分かっている。


「有名になりたい」発言に驚いたところ。普通に読んでも驚いたんですけど。 彼にとってやはり有名になることはひとつの戦略だったんでしょうね…こうもはっきりと言うんだから。やっぱりワトソンさんに「伝記を書かせた」と考えるほうが自然ですね。有名になることでどんなメリットがあったのか、これも考察しがいがあるテーマだよな…というか、混乱している。いろいろ理由は考えられるとは思うんだけど、やっぱり世界への干渉問題と関わってくるよねえ。


つまり、この出来事全体が私を欺くために前もって仕組まれたことなのではないかという疑問だ。もっとも、何の目的があって私を担ぐのかは検討もつかなかったが。


これは、EXIT読んだあとだと めっちゃドッキリする一文ですよね!!興奮します(笑) こういうあたりからむしろEXITの発想が生まれてくるのかもしれませんが、面白い…。 このとき実はワトソンさんの直観が当たりだったということも考えることが可能ですね。退役・海軍まではいいとして「軍曹」…ってのは、うん、彼がそこまで確実にわかったかどうかは、少し微妙じゃないですかね。英国海軍の階級の詳しい実情までこの時点で完璧にマスターしているのかっていう…いや、まあ、してるのかな。してるか。


僕というやつは救いようのない怠け者なんだ、古今東西の誰よりもね――


すごい台詞で、普通に読んでも考察したくなるところなんですけど、彼としては何か、やっぱり狙いがあってこういうことを言ってるんじゃないかと勘ぐりたくなる。事件だからってなんでもかんでも手を出すというわけではないことの理由がむらっけがある怠け者だから、ということにしておきたかったのかもしれませんね。


僕は煙草の灰を専門的に研究したことがある――実際、それをテーマに研究論文も書いたよ。


いつのまにそんなことしてたのかと…ちょっと思うんだけど、科学捜査を身につけようとして、実際勉強がてらやってたんでしょうか。まあ、実際にそういうスキルを持ってるからなあ。煙草ねえ…彼の世界のタバコはどうなっていたのか興味深いですよね。彼自身ずいぶん煙草に興味があるようだからなあ。


手品師は一度トリックを説明してしまうと、ちっとも尊敬されなくなるものさ


手品師や奇術師という例えやらがよく出てくるのが、つい気になってしまいますよね。しかし、生命の書で自分は奇術師じゃない、そう思われるけど、と言ってる割には例えに出すなんてね。


私が熱心に述べた言葉で、ホームズは喜びに、さっと顔を赤らめた。私は既に知っていたのだが、彼は自分の技能に対する賛辞に敏感に反応するのだった――その美しさを褒められた時の少女がそうであるように。


ポーカーフェイスの「彼」が赤面するなんて一体どうしたことか。ほんとは彼は探偵としてまだ修行中の身なので、全面的な手放しの賞賛を受けると、ちょっと感動しちゃうところがあったのか、それともこれも全部設定でしょうか。という穿った見方ばかりするようになってしまう。


君が居なければ、僕は出かけなかったかもしれない、そうしたら逃すところだったかもしれないんだ、こんな特別素敵な、今まで出会ったこともないような研究を――そう、『緋色の研究(study in scarlet)』をさ! なぁ?


しかしこの台詞はさすがに 全てが計算ずくの彼だったとしたら、妙にテンションが高過ぎると思うんです…。そんなに興奮するほど特別素敵? そういう変な性格も計算ずく? ついつい気の利いたタイトルを付けたくなるのは彼の素養の表出という気がしますけども。


彼女のアタック、彼女のボウイングときたら、全く最高さ! 何だったか、あのショパンの小品、彼女の演奏は、それはもう素晴らしいんだ、こういうのだよ――トゥラ・ラ・ラ・リラ・リラ・レイ…


微笑ましすぎてもう…言葉がありませんが…。やっぱり心から音楽が好きなんだろうなあ。しかし、「何だったか、あのショパンの小品」とは、彼らしくないアバウトな台詞で、リアリティがあってドキッとします。


僕らの魂の中には、その淡い記憶が受け継がれているんだよ、世界がまだ幼かった頃からね


音楽について、詠うように語るこの台詞が私は大好きだなあ。ホントに音楽が大好きで大好きで、心底から音楽の力に魅了されているのを感じるし、共感する、ホームズの台詞として他にないほど人間味のある…というか、自分を語った台詞だなあと思うんだよね。やっぱりホームズは自分を語ることが少なかったのかもしれない


あぁ、自分の失敗談を話して聞かせるのだって僕は気にしたりはしないよ!


なんという台詞かと思ってびっくりした。気にしすぎです、ホームズ。これも彼の計算のうちかな、いや、やっぱり性格は全部計算のうちというか…性格はもうきっと魂ごと入れ替わりだから、計算を意識しないレベルでこういうことを普通に言ってしまうのか…。計り知れない。計り知れないよ。


 奴は若い男だったに違いない、しかも身軽なやつで、その上とんでもない役者さ。あんな変装はなかなか真似できるもんじゃない。


ここですよ!ここ!震撼するじゃないですか! 身軽な、とんでもない変装のうまい、若い男!?まさかそれって!!思い当たるのは一人しかいませんけど!??!アイツしかいませんけど!? でもこの時点でまさか対峙しているなんて…そうだとしたら色々と、どういう意図が働いたのか分からなすぎます…。うーん。ものすごく設定を考えないといけなくなるなぁ。よりハードルの低い発想としては、 これも全部彼の作った設定…?だがそうだとしたらこれまた何のためかという、自分の失敗談を作り上げる必要はさすがに無い気がする…。
この時点で奴がここに来ていたら…うーん…それこそ戦いの火蓋はここで切られたことになるのだが…。そうしたらもうずっと年がら年中、実は、奴と戦っていたことになるんじゃないでしょうか。しばらく彼は、少し距離を置いて姿を見せずに奴を追っていた構図だと思ってたんだけど、実際は間接的ながら真っ向勝負をやってたんだろうか、毎度…。それはそれで熱いけど…そんなことにあれほど長い間…彼は奴のお遊びにお付き合いしてやってたのか。だとしたらヤツのほうが実力的に上回っていて、遊んでやっていたという構図じゃないと、いけないのではないかなあ。犯すほうが、追う方よりもラクであったのかな。


階下で彼のヴァイオリンが憂鬱な声で鳴くのを聞いて、ホームズが自ら解明へ乗り出したこの奇妙な事件について、まだ考え続けているのを知ったのだった。


その失敗の後、結構引きずって鬱々ヴァイオリンを鳴かせているホームズの姿は考察しがいがあるではありませんか。確かに、もしもこの婆さんが奴だったとしたら…彼はこうして夜通しヴァイオリンを手にして考えていることだろうと思いますね。考えずにはいられないだろう。とんでもない事件だったことになる。


「最後の環だ!」と、大喜びで叫んだ。「僕の推理は完成した!」


改めて読みなおして、初読の時に完全にスルーしていた点がわかったんだけど、ここらへんで、「生命の書」とか「緋色の研究」にリンクした表現をしているんですよね。なんというか、やけに気の利いたセリフ回しというかね。最後の環は普通に理解できても、threadの表現はワトソンさん以外には分からないことだろうから(そうじゃないのかなあ?)、ここでそんな表現を使うなんてもう、常識的に見ると何なんだろこの人は、どんだけ気取って…いや、詩人なのですか?とツッコミを入れたいレベルです。 ああでも、彼なら大丈夫!彼はいつだって詩人のはずだ、いつだって彼の口にするのは詩であったのだろうから、日常的な目線から見て異様に気取った発言も、彼にとってはごく普通のことに違いない。


「皆々様方!」瞳を輝かせ、彼は叫んだ。「ご紹介いたしましょう! ミスター・ジェファーソン・ホープ! イノク・ドレッバーとジョセフ・スタンガソン殺害の犯人です!」


このショーマンぶりを見てください! まさに彼の本性が出ちゃってる感じがたまらなく微笑ましいです。そりゃあもう光輝を放ちまくっていることだろうと思います。その瞬間数秒間はみんな時が止まったように動かなかったと描写されてたけど、彼の眩いオーラを浴びたらそうなってしまうに違いないですね。彼は計算のできる男だったと思うけど、それはやっぱりだんだんとそうなったところもあるだろうから、この頃は、思わず危険なオーラを出しちゃうことも多かったんじゃないかと思うな(笑) ついつい劇的な展開にしちゃって、ついつい例のオーラを出してしまうという。


私はその瞬間のことを鮮やかに記憶している――ホームズの勝ち誇った表情、そして彼の鳴るような声の響き、御者の呆然とした粗野な相貌、まるで手首に魔法をかけられたかのように、キラキラ光る手錠を見つめていた。


この描写がまさに!ワトソンさんの脳裏にあまりにも鮮やかに焼きついたこの光景がまさに。彼の放つあまりにも強い光で焼き付いたに違いない、と思った。鐘の鳴るような声の響き!輝く瞳!眩い表情!金色に、我々の心のフィルムを射抜くではありませんか。


…そして今、紳士諸君、」晴れ晴れとした笑顔で、ホームズは言った。「我々は、この小さな謎の終焉に辿り着いたのです。…


もったいぶった、芝居がかったこの言い振りったら。「小さな」というあたりがなんとも生意気で、微笑ましい。やっぱりEXITには改めて納得させられる!と思うんだよね。



関連記事
スポンサーサイト
[感想]リア王 (新潮文庫) | Home | [感想とか]ペーパーブランクスとポー様‥

コメント

彼は何故ワトソンさんの存在を求めたのか、積極的な関与と孤高を求める矛盾 等
Exit設定で考察しながら緋色の研究を読み進めるのも面白そうですね。
奴の影が連想される状況や、ワトソンさんに偽設定を刷り込むかと思しき箇所
彼が演技じみた仕種をみせる場面 等にはドキリとさせられそうです。

訳文紹介では、キャラクター考察や芸術方面を多く扱われている印象を受けましたが
「僕らの魂の中には、その淡い記憶が…」台詞翻訳に美しさを感じました。

「私はその瞬間のことを鮮やかに…」からも、こうした鮮烈な印象が、後の敬愛溢れる
Exit筆致へと繋がるのかも…などと色々想像をかき立てられて興味深いです。

ホームズを実在の人物として史実との統合をはかる、人物名と役割から作品背景を探る等
楽しみ方も人それぞれですが、私訳を、好みの目線で再読する事も
豊かで自由な楽しみの一つとして受け入れられて良い様に思えます。

ホームズ日記より、熱も落ち着いてこられた旨、拝見致しましたが
無責任な発言をお許しいただけるなら、自然な流れにまかせ、無理せずマイペースに
作品を愛でられるのが良いのかもしれませんね…

この度も長々と失礼致しました。

2014/05/15 (Thu) 23:47 | パトラッシュ #Uh60rX9Y | URL | 編集
Re: タイトルなし

パトラッシュさん>

いつもコメントありがとうございます!
EXITネタに反応してくれるのはおそらくパトラッシュさんだけ…
嬉しいです(*^w^*)
そうなんですよ…もうたまらなく面白いんですよEXITで読むと!
未だにこのとおりEXIT熱が冷めやらないです。

ワトソンさんとの同居はもう最大の謎だと思います
全然分かりません。色んな説を立てて検証しないといけない気が…
なんか分かるようなわからないようなどうも私は混乱しています。

ホームズは太陽系…はともかく文学知識はけっこうあるっぽかったし
やっぱりこの「ホームズの限界」は嘘っぱちに違いないと思うので
奇妙なまでの知識の偏りは欺瞞だった可能性が大ですよね
こうして刷り込んだんだ…ああ哀れなワトソンさん
すっかりめっきり騙されて伝記に書いてるなんて…(笑)

芝居がかった言動とかは、いろんな作品で出てくるので
読みなおすのが楽しみになりました(笑)
いやーほんとにホームズのこの癖は以前はどうしても納得できなかったのに
このような予想だにしない楽しみを与えてくれるEXITに感謝カンゲキです(笑)


> 「僕らの魂の中には、その淡い記憶が…」台詞翻訳に美しさを感じました。

ありがとうございます!この台詞もうほんと大好き!!
よく考えるとロマンチックな感じがするからかも…。
彼はロマンチストに違いないと思ってるんですが!(妄想)
ホームズはあんまりロマンチストではないですからね「表面上」…
この時の音楽熱に浮かされ具合、いかにも芸術家な彼らしいです


> 「私はその瞬間のことを鮮やかに…」からも、こうした鮮烈な印象が、後の敬愛溢れる
> Exit筆致へと繋がるのかも…などと色々想像をかき立てられて興味深いです。

なんともいえず、EXIT的なものを感じるところですよね。
映像的な感じがするからかな?



> 楽しみ方も人それぞれですが、私訳を、好みの目線で再読する事も
> 豊かで自由な楽しみの一つとして受け入れられて良い様に思えます。

もう…ホームズというよりもEXITのファン活動ってかんじになっちゃってますが
立派なホームズ研究家さんたちと同じことをやるよりも
なんとなく有意義…いや、なんというか自由で楽しいです(笑)


> 無責任な発言をお許しいただけるなら、自然な流れにまかせ、無理せずマイペースに
> 作品を愛でられるのが良いのかもしれませんね…

ありがとうございます!そうします(笑)
翻訳していると とてもこう、時間を潰せるというか…
充実しているし、自分の好きなように読めるし、たのしいです。
私は何かを作らないとどうしても、満足できない性格なので
翻訳をして訳文を作るというのは、なかなか自分に合った趣味かもしれない…
と思っています…まあ、飽きっぽいからどれくらい続くかわからないけど…
英語の勉強にもなるし…いや、なってるかな…むしろ日本語の勉強になるし…。


正典をすべてEXITで再読するというだけでも、もう、
長い間、すっごく楽しめそうです…ばんざい…

2014/05/16 (Fri) 09:35 | KMOK #WlAMjTRI | URL | 編集

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する