はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)
ミヒャエル・エンデ 上田 真而子
岩波書店 1982-06-07
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でかくて分厚い立派すぎるすごい装丁の本で、度肝を抜かれた。
近所のぶっこふで500円前後くらいで安く売ってて、さすがにこんなに立派でこの値段は…
しかも名高いエンデさんの本、いつか読もうと思ってたので買った。
あまそんでも中古は安いですね~1000円以下ならこれは蔵書的にコスパ高いと思う、ほんとに立派。
まさに名作ですね!
だがネタバレ厳禁だ!
豪華装丁
有名な「ネバーエンディングストーリー」の原作である、ということは知ってたんですが、ネバーエンディングストーリーという映画を見たことがなかったので、何も知らずに手にとってパラパラっと見てみたら、表紙装丁ばかりでなく中身の凝り具合にも度肝を抜かれてしまいました。しかし読むと更に驚かされる…なぜかは秘密だ。
この本は、ネタバレ厳禁本だと思う。この本は、何も知らずに読まなくてはならない。
読んだこと無い、っていうかなにそれ知らない、そういう人ほど、お勧めです。
泣いた…
いつも言ってるけど、涙腺耐久度低いのですぐ泣く方のKMOKなんですが、泣いたね…なんかもうものすごい最初の方から泣いてしまいました。ファンタジーの世界に対する想いを列記しているところがあって、あれは読者が思い当たるであろうことを期待して書かれている部分だと思うのですが、思い当たりすぎて泣いてしまいますよ。本を読むという体験は素晴らしいことだということを改めて教えてくれますね。
ファンタジーとはかくあるべきだというのも、あらためて勉強になる思いがしましたね!!いろんな生き物が出てくるし、いろんな場所があってさ~。特に印象的だったのは色彩です。特に色彩が爆発する森と砂漠のところが、私の眼にはどうしても藤城清治さんの絵で浮かびました。なぜか絶対藤城さんの絵で…!ともかく、この本をテーマにして子どもたちに絵を書かせたらすごいことになりそうですね。ほんとに美しいです。挿絵(扉絵)もあるんですが無くてもみんな充分、見えますね。
そしてラストもめっちゃ泣いてしまったなぁ。泣くよ。特に一番最後の難関でアトレーユが言ったことには、もうショックなくらいで、泣きまくってしまいました…。アトレーユ…!
恐るべき仕掛け
かなり難しい哲学的で寓話的な要素が含まれておりまして、大人でも「読み解く」楽しみがある系統の児童文学ですね。なんだと?とか、どういう意味だ!?とか、まさか!とか、けっこうショックなことが、この冒険の中では解き明かされていきます。子供は子供の無限の理解力でこのファンタジーを包括的に理解すると思うけど、大人は大人の限られた理解力で、またこの物語の秘密に精細な衝撃を受けるのではないでしょうか、そして深遠なる謎に目眩を覚えるのではないでしょうか。底なし沼のような謎、無限の落とし穴だ。
あと、すごいのは、たくさん入り口が作ってあるな!!というところですね。明らかに、みんなもファンタージエンに出かけよう、というその扉が数多く作られている。まるで仕掛け本だなあと、思いました。
ところで映画って
映画は全然見ない私でも、タイトルだけは知ってるというほど有名なネバーエンディングストーリー…ですが、この本を映画にするのは、か・な・り、大変だろう、長いし…大急ぎに短くしてもらっても、理解が追いつかないことになりそうな気がします。作るなら…少なくとも2部構成になるところでしょうね…。最近のCG技術ならお金をかければ、素晴らしい映像作品になりそうな気はする…と・い・う・か・これは本で読まなきゃ意味が無い内容ではないか?映画でみたら半分くらい意味がなくなるような気がするのは私だけでしょうか(笑) まあでも、映画から入って本を読むという方もたくさんいるだろうからいいのか。それに、本以外でも…ということは、作中できちんと言及されてるから、いいということですよね。
しかし映画は原作者さんからブーイングがあったとかwikiに書いてありましたね、ちょっと見る勇気が…足りなく…
私は海外の児童文学が好きなタイプなのですが、この本も素晴らしかった。
本棚映えがすばらしいですし。本が好きな子に読ませてあげたい本だ。
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