[感想]マクベス(演出:野村萬斎)見てきた

20140717-0.jpg

最近シェイクスピアを読んでる私ですが
偶然にも近所で演劇が!ラッキー☆!

ということで行ってきました。






芸能に疎すぎるので野村萬斎さんって名前だけ聞いたことあるけどどういう人なのか全然知らなかったのですが、まあとにかく我が超田舎には有名人が来るなんて凄いことのようでしてチケットがあっという間に無くなりそうで、仕方なく私も先行販売で余計な出費して買いました。おかげで真ん中あたりの席で見れてよかったです。


三人の魔女!


なんといっても、面白いのは三人の魔女の演出でした。なんとこのマクベスはたったの5人ですべての役が演じられます。マクベスと奥さんは固定で、他の役が全て三人の魔女役の男性によって早変わり的に演じられる。つまりマクベスと夫人を取り巻く「運命」は全て一つのものである、という描き方なのだと思いました。原作では色んな名前と人間が登場しますが、この演出ではどれもこれも魔女の化身のように描かれるので、物語が更に「マクベスの悲劇」にのみ集約される。ある意味ではとてもわかり易い!と、思いました。周囲の人物の個性は描く必要がないと切り捨てることが出来るのか、なるほど、確かにそうかもしれない!常に運命がマクベスの周囲につきまとい嘲笑う、烏であり闇であり魔女となってマクベスの苦しみを眺めて笑っている。マクベスにおける悲劇的運命を擬人化して、わかりやすく伝えているんだな。
ところで、こないだ万有引力さんのリア王見に行ったんですが、あれ、魔女の人がリア王の人のような…と思ったら多分同じ方みたいでした。あの痙攣みたいな肉体パフォーマンスにも納得…☆


マクベスと夫人


マクベスは、終始運命の悪戯に戸惑い混乱し右往左往する感じで、私読んでた時はもうすこしマクベスって胆力のある男かなと思ってたんですが、印象が違いました。でも、新潮版の解説を思い出しながら見てたんですが、運命に自由のようでありながら実際は追い詰められて強制され続けるマクベスの姿、と思うとこの方が分かりやすい。提示された予言に引きずられていく哀れな姿。しかし決戦の最後の最後で、その運命を振り切る姿には、むしろ人間の底力、真の強さが、哀れを超えて輝いて見えました。これぞ「あっぱれ」というやつか!!なるほど!!諸行無常を描いたようでいて、刹那の輝きや再生こそが真意なのではないかと、塵に殺され塵となったマクベスから咲く花は「きたないはきれい」なのか、と思いました。

夫人は、おおこれぞ!凛として壮絶に美しくて素晴らしかったです。あの強さは、美しさを伴わなければね! しかし圧巻はやはり夢遊病のシーンでした~。あの地獄の嘆きのような溜息は圧倒的でした、すごかった。


衣装とか


当然のごとく和風の衣装は、全く違和感なくて美しかったです。なんでだろうね、マクベス…イギリスのはなしなのに、全然違和感ない……。というのは私の目がおかしいのか分かりませんけども。日本人の奥に根付く魂にとっては格式高い正装は、やはり和装だということなのかな、時代感を感じさせるのは和装なのかもしれない。輝く絢爛な王の衣装は特に印象的でした。冠や王笏が葉っぱで飾られてて、すごく神性を感じさせました。我々日本人は金属よりも植物に神性を感じるんだな。
終始目を奪われたのは紙吹雪でした。日本の空気感は紙吹雪に全部載せられるのかもしれない…音もなくハラハラ落ちる紙吹雪さえあれば、画面がそれだけで日本画になる。
布の使い方もすごかったです。とくにマクダフの家を皆殺しにすることを意味する矢のところは、うおおおお!!ってなりました。めくるめく。
音楽も能楽的な音楽が必要以上に目立つこと無く違和感なく使われていました。あ、能面も、なるほどここで!というところで使われてて面白かったです。
全体的に豪華絢爛な視覚イメージで、原作を読んでいなくても目で楽しめる感じでした。



いままで演劇はほとんど興味がなかったんですが、いやーシェイクスピア見始めると面白いですね…他の演出ではどんな感じになるんだろうかとか、すごく興味が湧いてきます。
また近所で シェイクスピアやらないかなあ。っていうかハムレットやらないかなああ



関連記事
スポンサーサイト
[雑談]シューマンもえ | Home | [感想]スタートレックV 新たなる未知へ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する