[感想]神秘の島 (偕成社文庫)

4036513206神秘の島〈第1部〉 (偕成社文庫)
ジュール ヴェルヌ ジュール・デカルト・フェラ
偕成社 2004-09

by G-Tools




ヴェルヌさん最高☆!

な、神秘の島ですよ。ミステリアスアイランドですよ。
十五少年漂流記にちょっと似てて、やはり無人島漂着ものなのですが
より科学的で大冒険で、人間って凄いな!!科学ってすごい!!
と思います。さらに驚きの展開も!






ネタバレ厳禁


この話は、ちょっとネタバレ厳禁なところもあるので、気をつけて感想を書こうと思います。
あと、Amazonなどのレビューも見るとネタバレしますので、なるべく見ないほうがいいですよ! wikipediaもめっちゃネタバレしているので絶対見ないでください(笑)

私はそんなかんじで、あまそんのレビューで大体ネタバレした状態で読んでしまったのですけども…それでも面白かったですけどね!
ヴェルヌさんのSF系作品が一つでも好きであれば、この作品はオススメかと思います。


科学の力!


無人島に辿り着いた仲間たちは力を合わせ…むしろ智恵を合わせて、人間らしい暮らしを自然の中から作り出していきます。十五少年漂流記を読んだ時も、衣食住を自然から作り出すことが本来の冒険なんじゃないかな!!と強く感じましたが、この作品では、主人公が大人たちなので、より科学的に、より大規模に本格的に、科学を使って衣食住を作り出していきます。そこが一番の見所に違いない。

なんといっても、なんでもできちゃうんじゃないかというほどなんでも知ってるサイラス・スミス技師のすごさを読むと、錆びついた自分の理科の知識に焦燥感を覚えます。自分が同じ目にあったら、絶対、ダメだ、こんなふうに知識を活用できないよ…。硫酸作ったり、ニトログリセリン作ったり、製鉄したり…。…。 でも逆にこの本を理科の授業に使って、彼らはこういうことをしました、と化学式を使って解説したらすごくいいんじゃないかなと思いました。われわれ人間が何のために科学を発展させ、なぜ今も学校で科学を教えているのか、ということがすごく納得できると思います。もし無人島に流されたら、その知識を使って、人の手の入っていない自然の中から、人間の文化的な暮らしを作り出すことができるのだ! こうやって我々は科学を発展させてきたんですね!

それから、ハーバート君のものすごい博物学の知識にも感動しましたね。小さいころ、私も先生からもらった図鑑が好きで、日本にはいない変な動物や、毒のある魚とか、そういうのを覚えたりしたもんです。今でもそういうの興味あるんですけども、そういうのも、こんなふうに大自然の中に本もネットもなくぶちこまれたときには、このように生死に関わる重要な情報になるわけなんですね。「あれは食える」「あれはまずい」「あの木から澱粉が取れる」とか!私もそういう知識を身につけたい…。


大作


三部構成!ということで、たしかに長かった気もする。でも全然飽きること無くどんどん読んでしまった。島はとっても広くて、いつも探検や冒険に満ちあふれていたので退屈する暇などなかった。
驚きの発見もあったりして、胸がどきどきわくわくしすぎました。うひょー!やべー!楽しみすぎる!!ってなりました。ページを繰る手が止まらないモードに突入したりしましたね…。
でも、ネタバレになるからやっぱ言えない…。ともかくそういうシーンがいくつもありました。
終盤は…更にすごくて、盛り上がるというよりも、もはや、荘厳な雰囲気でした…。もうね、号泣しましたよ。そして号泣した後は、もう、神妙になって最後を見守りましたね…。そして素晴らしい結末でした。…………全部ネタバレになるから感想かけないよ…すごく言いたいんだけどダメだ書けないよ。いろんなことを言いたいんですけど、いろんな感動を伝えたいんですけども。ダメだ、様々な感動と感慨を、みなさんも是非自分の目でお確かめください。

海底2万マイルほど冗長な部分も少なく、地底旅行ほどに現代の知識からするとモヤモヤするということもなく、読みやすくて面白くて、そして想像以上に壮大!! 素晴らしい大作だと思います。


キャラクターたち


サイラス・スミス… サイラス先生は、なんだかとってもやさしくて、最高の先生のように皆を見守っていて、導いてくれて、あまりにも理想的すぎる指導者でした。特に、妄想が爆発しすぎるペンクロフにも、いつも否定したりせずに、微笑んで話を聞いているところに、毎回こう…ほんとにすごいなって思いました。内心では、不安を抱えているのにそれを吐露することもなく…じっと構えて未来を見据えている。真似できません。 八十日間世界一周を読んだら、ヴェルヌ作品にはものすごい意志力と知識を持った超人的な人物がよく登場し、サイラス・スミスもその一人…と書いてあったけど、それらの超人の中でも、サイラス・スミス先生は特に心がしっかりしていて頼れる人物、最高の指導者だと思います。他のこの手のキャラクターはわりと自分勝手な気がするんですよね…リーデンブロック教授とかさ(笑)
それから、未来の地球の姿や未来の人類のエネルギーについてサイラスが予言しているところは大変感心してしまいますね!! あとね、すばらしいセリフで感動したところがありました。ペンクロフから、(サイラスの?人類の?)知識を本にしたらすごい厚さになるだろうって言われたときに、「知らないことを全部本にしたらもっと分厚くなるよ」っていうセリフ。正にその通り、まだまだ世界は知らないことだらけなんだなあ!

ハーバート… ハーバートのピンチには私ももうペンクロフみたいな顔で読んでいましたよ…絶望…この世の終わり…げっそり…みたいな顔で。みんなもそうだったのだろうなあ、ハーバートがこの島の希望だったんだよなあ。 活躍ぶりはあらゆる意味で素晴らしく、サイラス・スミスに勝るとも劣らなかったですね。私もハーバートみたいに有益な知識をみにつけたいもんだなあ。でも、子供を…といわれた時に顔を赤くしてたのが、少年らしくてめっちゃかわいかったです。

ペンクロフ… ネッド親方に似てて、でもネッド以上にこう、明るさがあって、いつでも物語の太陽のようなキャラクターでしたね…。ペンクロフ大好きだ! ハーバートとペンクロフの家族愛は、本当に心温まりました。 科学はともかく腕っ節で大活躍してたし、読み手としてはいつもスカッとさせてくれるキャラクターですね。 あとがきに、タンタンのハドック船長はペンクロフに似ていると指摘されている…とあって、俄然読みたくなってきた。ちょっとだけ読んだことはあるのですが…。

ジェデオン・スピレット… ジュデオンと何回も読み間違えてしまった…じぇでおん…無理…。でも、wikiみたら、ジュデオンになってるぞ? Gideon Spilett…ん~、どっちでもいいのか??? でもやっぱジェデオンかなあ? まあいいや。非力とか不器用とかなんとかかんとか結構微妙な評価をされてて、まあ実際には思ったより役に立っていた…ということは書いてあるけど結局飛び抜けて素晴らしく能力を発揮できたとはいえなかったような…そんなかんじでちょっとかわいそうだな、と思ってました(笑) その後、この体験を立派に伝えることができたのは記者のおかげなのだから、すばらしい功績なんだろうけどもね!

ナブ… この頃の文化的には普通なことなのかもしれないけど、主人公の従者キャラはよく登場しますね。いつも、とても忠実で、心の底から主人を尊敬している清らかな人物として。毎回心癒されます。ナブもめっちゃすてきな癒やしキャラでしたね…。ヴェルヌさんの人権の考え方は先進的だったからなのか、ナブも皆とまったく同等に大切な仲間として交流していて、読んでいてもとても心地よいです。

トップ… 犬ってほんとに忠実で役に立つ相棒なんだな…って改めて思いました。人間以上の能力をいたるところで発揮していて、人間は、犬と助けあっているんだなあと思いました。

ああ…他のキャラクターは書くとネタバレじゃん。自粛


神と祖国!


ところで、この作品は主人公たちが誇り高いアメリカ人で、祖国を非常に愛していて、それが物語の一つのテーマでもあるように思います。そういえば、八十日間世界一周はイギリス人の話で、地底旅行はドイツ人の話で、海底2万マイルはフランス人が主人公で…色んな国の人が描かれていてすごいなと、改めて思いました。八十日間世界一周では、それぞれの国についてちょっとした皮肉も混じっていましたが、それでいてそれぞれの国の良さや誇りも大切にされてるんだよなあ…。特にこの作品の第三部終盤を読んだ後だと、様々な国の人を主人公にして描いているのはすごいような気がしてきます。だいたい、ヴェルヌさんはフランス人なのにこんなに祖国への愛を歌うアメリカ人を活き活きと描いているのがすごいじゃないですか!! アメリカの方が書いた作品と言われても、納得しちゃいそうな日本人の私ですが、アメリカの方が読むとやっぱなんか違うのかな??



私、いかにもヴェルヌさんの作品が好きな気がしてたんだけど、やっぱり何作か読んでみても大好きなので、大人買いしてもっと揃えようと思います!! ヴェルヌさん最高です!


4036513206神秘の島〈第1部〉 (偕成社文庫)
ジュール ヴェルヌ ジュール・デカルト・フェラ
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2017/09/28 (Thu) 20:10 |